日本ミツバチの様子

 既存の群が大きくなって住みづらくなってくると新たな群を作ります。 群が分かれるのが分蜂(ぶんぽう)です。分蜂が起こると元の巣から出て別の場所に巣を作ります。(写真1) ちょうど人間社会の分家のようなものです。元の巣から出た群は、女王バチとともにメスバチ(僅かな数のオスバチも同伴することがある)が近くの樹木等に蜂球(ほうきゅう)と呼ばれる逆円錐状に蜂の群が集合したものを形成し、新たな営巣の場所が確定するまで暫くその場に留まります。数千匹の蜂が巣箱から出て、10m程度の範囲で勢いよく飛び回った後に蜂球形成し静かになるまでに30分ほどかかります。 蜂球をそのまま放置すると、群が決定した新たな棲家に向けて飛んで行きます。私の経験では、1時間程度~2日程度で飛散することがありました。(写真2)  蜂球形成時に新たに用意した巣箱に取り込むことで養蜂群を増やすことができます。

 2019年7月の設置群では、翌年5月に分蜂した独立群から7月~11月に再び分蜂が観察されました。 2021年は増えた群を含めて3月~7月に分蜂しました。通常は3月~5月頃の花が咲く時期が分蜂時期とされていますので、花がなくなって花粉・花ミツの確保が難しい11月の分蜂は極めて異例です。2021年3月に分蜂した群から、2か月後に3回の分蜂があったことも珍しいかも知れません。
 一旦新たな巣箱に入った後も、何らかの理由により短期間で退去する場合や長期間居住していながら退去する場合があります。当所では、2021年5月に新巣箱に入居した群が、2日後に僅かな巣脾を形成した段階で突然いなくなりました。(写真3) 7月には入居2日で退去して完全に空っぽになったものの、翌日には多くの個体が戻って巣箱に出入りしており、箱の底には多くの死骸が溜まっていました。一体何が起こったのかわかりません。 
 このように、日本ミツバチの行動は不明な点が沢山あり、2年間で多くの経験をしました。これからも日々新たな発見があるものと思います。

  分蜂時の群の動き
(写真1) 分蜂時の
巣箱の様子
 
(写真2) 分蜂時の蜂球形成
 
(写真3) 群が残した巣脾